オゾンの基礎知識

オゾンの基礎知識

オゾンの基礎知識


オゾン発生装置を扱うということは、少なからずオゾンのことも知っておくべきだろう。これを読まれている皆さんも是非、オゾンの基礎知識をざっとでもいいので、目を通してもらい、安全にオゾン発生装置を取り扱ってほしいと思う。

オゾンとは

オゾンとは

オゾンとは


オゾンとは、あの「オゾン層」のオゾンのことである。オゾンの化学式は「O3」。これは酸素である「O2」と酸素原子である「O」が構成するものである。
 
オゾンについて、知識がない人でたまに、「えっ、オゾン発生装置?! オゾンなんて危険なんじゃないの!?」と主張する人がいるが、危険といえば危険だし、安全といえば安全である。ハサミも誤ればケガをするが、正しい使い方をすれば紙やヒモをチョキンと切れる便利グッズだから、いってしまえばそれと同じことである。
 
私もあなたも空気を吸って生きている。その空気は主に「酸素」「窒素」「二酸化炭素」の3つで構成されているが、実はオゾンも空気の中に極微量(0.01〜0.08ppm)含まれているし、たとえば、あなたのオフィスの大型コピー機の後ろのほうでもオゾンは発生している。ただし、これらは害がある濃度ではないから安心してほしい。
 
オゾンの危険性や注意点などについては下の「オゾンの危険性や健康被害の可能性について」で説明しよう。
 

オゾン水とは

オゾン水とは

画像元:オゾンマート


オゾンを水の中に溶け込ませると、オゾン水になる。そのオゾン水を生成しているとき、空気中に極微量のオゾンが逃げていくが、これも害があるレベルではないので、まったく気にしなくて良い。
 
このオゾン水は、あらゆることに活用できる。殺菌・消毒・脱臭効果がきわめて高いオゾンだから、当然といえば当然だが、「オゾン水」という液体になることによって利便性は大幅に向上する。たとえば、排水口に流させば雑菌は殺菌される。排水口が臭くなる原因は菌の増殖である。ニオイをなくすためには、雑菌の増殖を抑止するか殺菌する必要があるわけだが、オゾン水で菌は殺菌される。だから、ニオイもなくなるという仕組みだ。
 
赤ちゃんのおもちゃ消毒や、野菜に付着している農薬を落とすことにはもちろん、歯科医院の器具の滅菌、動物の洗体、その他、車の車内に敷いてあるフロアマットや座席シートなどをオゾン水で拭けば菌は殺菌・消毒され、ニオイもなくなり、衛生面でも大変すぐれた効果を発揮する。詳しくは、次項の「オゾンの特徴と殺菌・消毒・脱臭の仕組」で述べるが、オゾンやオゾン水は薬品とは違い、残留性が一切ない。殺菌・消毒・脱臭という役割を終えたら、酸素に戻って完全無害化されるのだ。
 
年々、「安全」の価値が高まっている中、そういうわけでオゾン発生装置が徐々に広まってきている。ちなみに、私が「オゾン発生装置の賢い選び方」でおすすめしている、「オースリークリア2」というオゾン発生装置は気体としてのオゾンを放出するだけではなく、濃度1ppmのオゾン水も作ることができる大変使い勝手の良いオゾン発生装置である。興味がある方は是非チェックしてみてほしい。
 

オゾンの特徴と殺菌・消毒・脱臭の仕組み

ここでは、なぜ、オゾンで殺菌・消毒・脱臭ができるのか、という仕組みについてご説明しよう。
 

オゾンに残留毒性はない

先にも説明したとおり、オゾン(O3)は、酸素である「O2」と酸素原子である「O」で構成されている。オゾン(O3)は、きわめて反応性の高い物質であり、常に安定した酸素(O2)に戻ろうとする性質をもっている。反応後は残留物を出さない、きわめて安全な物質なのだ。
 

オゾンが殺菌・消毒・脱臭する仕組み

3つあるOの内、1つのOが細菌や悪臭物質の成分にアタックして分解する(残った2つのOは酸素に戻り完全無害化)、これを「酸化」と表現する。オゾンの強い酸化力は、殺菌や脱臭において、その効果を遺憾なく発揮する。細菌や悪臭物質の成分の多くは、酸素原子と非常に反応が速い。表現は稚拙になるが、3つあるOの内、1つのOは常に何かしらにアタックする準備をしている(オゾンの不安定さ)と考えてもらって良い。悪臭のもとである菌を見かけたらすぐさま突撃するのである。1つのOと、突撃された悪臭物質は、両方消えてなくなる。これを「分解」と表現する。そして、あとに残ったものは、2つのO、つまり酸素なのである。というわけで、オゾンの酸化力を利用して、殺菌・消毒・脱臭を行い、あとに残るものは酸素だけなので、残留性がある薬品などと比較すると、オゾンのほうがよっぽど安全なのである。
 
今や700億円市場にまで成長した消臭芳香剤市場であるが、消臭芳香剤は基本的に「マスキング」という方法で悪臭を包み隠す。包み隠すだけだから、その悪臭はすぐにまた顔を出す。いわゆる「ニオイ戻り」というやつだ。一方、オゾン脱臭の場合、悪臭分子を酸化分解するので、ニオイが戻ることはない。加えて、時間とともに酸素に戻り完全無害化されることから、その安全性と環境にやさしい物質であることが近年大注目され、オゾン発生装置市場も年々大きくなってきている。
 

オゾンの危険性や健康被害の可能性について

結論から先にいうと、「オゾンは危険なのか、安全なのか」という議論は不毛である。冷静に考えてみてほしい。
 
「ガスは危険だろうか」
ガスは、条件が揃えば爆発につながる。しかし、私たちは毎日それを使って美味しいご飯を作っている。
 
「電気は安全だろうか」
電気も漏電や感電事故の可能性がある。しかし、電気なしに私たちの生活は成り立たない。
 
「自動車は危険だろうか」
自動車は移動距離を短時間で走ることが可能だが、1年に537,000件の交通事故が発生し、4,200件の死亡事故がある。(平成27年)
 
「水は安全だろうか」
人間の身体の約60%が水でできているといわれる(成人)こともあり、水に害はないと思われるかもしれないが、人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は毎分16mlであるため、これを超える速度で水分を摂取すると体内の水分過剰で細胞が膨化し、希釈性低ナトリウム血症を引き起こす水中毒に陥り死亡例もある。
 
要するに、正しい使い方をすれば安全であるということに尽きるのである。
 

健康被害の可能性と濃度管理について

先ほど、「オゾンは危険なのか、安全なのかという議論は不毛である」と言ったが、それと「健康被害の可能性」とは別の話しであるから、ここではそのことについて触れておこう。
 
オゾンは便利で安全な反面、高濃度のオゾンを吸い続けると、健康被害につながる場合がある。ただし、適切な濃度管理をしていれば何も問題ない。問題はその濃度についてだが、参考になる日本産業衛生学会の表を紹介しよう。
 
気中オゾン濃度とその影響

濃度影響
0.1ppm臭気を認めうる
0.1〜0.3ppm呼吸器の刺激
0.4ppm気道抵抗の上昇
0.8〜1.7ppm上気道の剌激症状
1.0ppm咳嗽、疲労感
1.5ppm 2時間で時間肺活量の20%減少、咳嗽、胸痛、精神作用減退
9.0ppm以下呼吸困難、肺うっ血
1,700ppm以上数分間で死亡

 
生体へのオゾンの影響
濃度影響
0.01ppm敏感な人の嗅覚閾値
0.01~0.015ppm正常者における嗅覚閾値
0.06ppm慢性肺疾患患者における嗅気能に影響ない
0.1ppm正常者にとって不快、大部分の者に鼻、咽喉の刺激
0.1~0.3ppm喘息患者における発作回数増加
0.2~0.5ppm3~6時間暴露で視覚低下
0.23ppm長期間暴露労働者における慢性気管支炎有症率増大
0.4ppm気道抵抗の上昇
0.5ppm明らかな上気道刺激
0.6~0.8ppm
胸痛、咳、気道抵抗増加、呼吸困難、肺のガス交換低下
0.5~1.0ppm呼吸障害、酸素消費量減少
0.8~1.7ppm上気道の刺激症状
1.0~2.0ppm咳嗽、疲労感、頭重、上部気道の乾き、2時間で時間肺活量の20%減少、胸痛、精神作用減退
5~10ppm呼吸困難、肺うっ血、肺水腫、脈拍増加、体痛、麻痺、昏睡
50ppm1時間で生命の危険
1000ppm 以上数分間で死亡
6,300ppm空気中落下細菌に対する殺菌

ただし、業務用のオゾン発生装置で放出するオゾン濃度で甚大な健康被害がある可能性はまずないから安心してほしい。なぜなら、たとえばオゾン発生装置でオゾンを室内に放出し、濃度がこの表でいう「0.1ppm」あったとしよう。オゾン濃度が0.1ppmという状態は、普通の人は「ん?なんか、オゾンのニオイがする」となるレベルである。そのときに、かまわずそこに長時間いて一歩も動かないとする。そうすると、喉や鼻が痛くなることはあっても、そのオゾンっぽいニオイがしたら、速やかにその場を離れれば何の問題もないのである。
 
「オゾンって、どんなニオイ?」と言われても、それは個人の感覚的な問題なので明確には言えないが、個人的には、「プールの消毒薬と新品のポリ容器を足して割ったようなニオイ」と思っている。
 
私が現在も使用していて、「オゾン発生装置の賢い選び方」でもおすすめしているオゾン発生装置については、無人環境で使用する製品が2台、有人環境で使用する製品が1台ある。無人環境で使用する2台のオゾン発生装置については、オゾン放出中は、必ず室外に出て使用してほしい。(ほとんどの業務用オゾン発生装置は無人環境で使用することを前提としている)
 
たとえば、30分間オゾン発生装置を稼働させオゾンを放出し、その後、オゾンが悪臭を分解するまで20分ほど室外で待機する。部屋に戻り、まだオゾンのニオイが残っていれば分解しきれていないので、あと10分ほど待ってまた部屋に戻ってみる。そこでオゾンのニオイがなければ分解は終了しているから、脱臭作業完了である。このとき、一度目に部屋に戻ったとき、オゾンのニオイを嗅いでいるわけだが、そんなことで何か健康被害があるわけではないので安心してほしい。もし、そんなことで健康被害になるようなことがあれば大手ダスキンは脱臭作業にオゾン発生装置を導入などしないだろう。
 
風呂をイメージしてほしい。
たとえば35℃のお湯にあなたが浸かり、その水温を徐々に上げたとき、おそらく38℃あたりで「熱さ」を感じ、41℃あるいは42℃あたりで「こりゃ熱くてたまらん」と風呂釜を出るだろう。そして、もし、風呂に入ろうと思ったときはじめから水温が44℃あった場合、あなたは湯加減をみるために手を入れ、「うわっ!アチチチ、、、こんなの熱くて入れるか!」となるはずだ。それを無視して、我慢もして入れば火傷するだろう。オゾンも同じだ。人がオゾンのニオイを感じはじめたらその時点で0.1ppm程度の濃度なわけだから、その場に長時間いることは好ましくないし、それ以上オゾンのニオイが強くなれば風呂の温度44℃以上にも我慢して入り続けることと似ているかもしれない。
 
私が何を言いたいかというと、「異常を感じても、それを無視して、あるいは我慢してそこに長時間いれば、事故につながりますよ。風呂の温度だってそれは同じことが言えますよ」ということである。
 

オゾンはどのように活用されているのか

日本に住んでいるほとんどの人がお世話になっているインフラ系でいえば、水道水があげられる。おいしい水を安全に飲めるようにするためにオゾンが活用された高度浄水処理が行われている。高度浄水処理は、オゾン処理に生物活性炭処理を組み合わせたもので、有機物やかび臭物質、アンモニア態窒素の除去に大きな効果がある。
 
民間でいえば、もっとも利用されている場面は、ホテルや旅館などの宿泊施設ではないだろうか。次いで、私のような清掃業やカーメンテナンスショップといったところか。他にもたくさんある。大規模な食品工場などは産業用のオゾン発生装置を利用し、小中規模の食品工場は業務用のオゾン発生装置を導入している。最近では、インフルエンザやノロウイルスなどの食中毒対策として、保育園や幼稚園、介護施設などでも多く見られる。衛生や安全のニーズがあるところに、オゾン発生装置ありというわけである。
 
オゾン水の活用でいえば、野菜の農薬除去から始まり、赤ちゃんのおもちゃ消毒、ペットショップ(主に洗体)、歯科医院の器具の滅菌処理、クリーニング業者(オゾン水での洗濯等)、一般家庭での清掃(排水口やバスルームの掃除等)などで活用されている。とにかくオゾン、オゾン水は殺菌効果が高く残留性がないという点でさまざまな場面で活躍している。
 
オゾン発生装置の賢い選び方